いかに生きる
2015年09月20日
走らずに読書。誉田哲也さん『幸せの条件』を読みました。
ひょんなことから穂高の農家で住み込みで働くことになった瀬野梢恵。慣れない仕事に悪戦苦闘する中で生きる意味、ほんとうに幸せな人生がなんなのかをつかんでいきます。
「お前は、お前自身が必要とする生き方を、みつけてきた。・・・・・・違うか? 自分はこれをやって生きていきたい。これをやって暮らしていきたい。生きるって、実ははこういうことなんじゃないか。そう、長野で初めて思うことができた・・・・・・そうなんだろう? 分かるさ、お前の顔を見りゃ。全然違うよ、こっちにいた頃と」
「大切なのは、誰かに必要とされることなんかじゃないんだ。本当の意味で、自分に必要なのは何か・・・・・・それを、自分自身で見極めることこそが、本当は大事なんだ」
『ジウ』や姫川玲子主人公の警察もの『ストロベリーナイト』などとは大きく一線を画します。どちらかというと青春小説『武士道』連作に近いでしょうか。
「くすり」あり「ほろり」あり。堂場さんの新境地かな。
『空より高く』重松さん、『花のさくら通り』荻原さん、『ステーキを下町で』平松洋子さんを新刊で買いました。本はなかなかに高いです。与えてもらえる喜びの大きさを思えばけっしてそうではありませんが。
本にまつわる新聞記事があります、『増える「書店ゼロ』自治体」と。本屋0の市町村が全国に300以上あるそうです。
そこらにふつうに書店がある環境が当たり前と思っています。隣町まで何キロも走らなければならないとなると本好き人間には耐えられない、というかどれだけ距離があっても本屋さんへ向かうかな。
都会に住めるのはありがたいですね。好きな時に本を手に取り買えます。見たい映画があれば見られます。
人生それだけではないんちゃうかなとも思っています。
ある人の葬儀に出て、堂場さんの本を読んで特にその思いを強くしました。
いくつになってもいかに生きるべきかを悩んでいます。