元をとる
2015年08月13日
西宮北口から宝塚までの8つの駅しかない阪急今津線。そこを舞台に書かれたのが有川浩さんの『阪急電車』です。映画化もされました。
「電車の中だけで小説が書けるんかなあ。映画っていってもなあ、物語が成立するんやろか」と単純でおバカな私は考えました。
ところが有川さんの手にかかると見事に成り立つんですね。
たまたま乗り合わせただけの見ず知らずの乗客たち。つながるはずがないそれぞれの人生が紡がれていきます。
ほんわりしんみりじんわりの展開あり、してやったりの快哉あり、身につまされての涙あり(電車の中で目頭があつくなって困った)の傑作です。
ある場面を読んでいて思います。
「あれ、これ知ってる。そんなはずないぞ」と記憶の糸を手繰ります。
「そういえば、半分酔っぱらいながらテレビで映画見たかも。いや既視感か。」次の場面で確信しました。
「映画見た」いや、年をとるといけません。すぐ忘れます。
肝心なことは忘れないようにしないといけません。仕事に差しさわりがでるようになったら困ります。
昨日、姫路からの帰りに今津線に乗りました。
「もしよかったら、小林(おばやし)で一度降りて休んでいくといいわ。あなた顔色も悪いし、あそこはいい駅だから」との時江さんのことばに誘われ降りてみました。なんということもない田舎(失礼)の駅でした。
「一体どこがいい駅なんだろう?」と翔子。私も同感でした。
ただツバメに対する心遣いのくだりがあります。そう思って見上げるとツバメが飛んでいます。いくつか巣も発見。ツバメが住みやすい町だということを実感。「いい駅」なのかもしれません。
その後、宝塚駅へも。タカラジェンヌに会えるかなと思いましたが会えませんでした。
「帰りもいっしょの線で帰るんは芸がないな」と宝塚線で十三まで出て京都線で帰京しました。
今津線に乗る前に神戸三宮で降りて有川さんの本を探しました。運よく見つけました。
『植物図鑑』。少し読みましたが期待に応えてくれそうです。
これが ↓ 3日間パスです。
明日これを使って鳥羽高校の応援に行くつもりです。
姫路行ですでに4,000円くらいは使ったんで明日で元がとれそうですね。俗でせこいつゆはらくんはつい考えます。
「元をとる」と。