物言い
2012年06月21日
「そうですか……何か、変だな」照れたように芳明が茶を啜った。「何だか、あんたには話してしまう」
「そうですか」
事情あって捜査一課から刑事総務課に勤務する大友鉄。
彼が話すと他人と同じことを言っても相手が思わず本音を言ってしまう雰囲気を持ちます。そのテツが、ある犯罪にひそむ謎を暴くべく活躍する話『敗者の嘘』。なかなかに読み応えがありました。
堂場瞬一さん。2冊目だったかな。前作もおもしろかったです。同様テツが活躍します。
誉田哲也さんの姫川玲子も、この大友鉄も然り、出会いに恵まれています。その昔よく読んだクライブ・カッスラーさんの話に出てくるダーク・ピットを思い出します。彼はかっこいいです。しばらくお目にかかっていません。本棚を漁って今一度紐解いてみましょうか。
同じことを言ったりやったりしてもその伝わり方は相手の感じ方次第です。思った通りの気持ちが伝わらぬことも多々あります。
物言いにもよります。
「なんでこの人こんな言い方しはんねんやろ」と思うときもあります。でもそのとき考えます。
「俺も気づかず同じように言うてるんちゃうやろか」と。
自分ではわからぬままの増上慢があってはいけません。
きっと生徒相手についえらそうなことを言ってしまっているでしょう。
自戒しなければいけません。