凡夫

2011年11月17日

うれしいニュースを一つ。
個別にきてくれているKRくんの就職が決まりました。
今日別件で電話をしたときに本人が出たので
「就職決まったそうやね。すごいな、優秀やな」
「はい。ありがとうございます」声音からうれしさが伝わってきます。
「どこでなにするのん?」
「Sです」と北のほうにはけっこう店舗数のあるスーパー名が出ます。
「へえ、すごいやん。どこの店なん?」向こうでお母さんの声がします。
「えっと、ええ左京区の本店です」
「そうか。行く機会があったらあなたの顔をさがすわ」
とかなんとかしゃべりました。

指導日の関係で最近は直接顔を合わせていませんでした。久々に元気な、そしてうれしそうな声が聞けて私もとっても幸せ気分になりました。

彼は小6から中3までと高2から今まで長く通ってくれています。
中3時、受験校を決める相談で彼の口から出たのは実業高校。
「え、そんなん好き違ったら行ってもしんどいで」というと
「いや、好きなんですよ、そういうのが」
「へえ~そうなんや。それやったらいいねん。しっかり勉強したら将来就職にも役立つかもね」といったような話をした覚えがあります。そして今回の就職決定。よかったです。

けっして勉強は得意な子ではありませんでしたが苦労しつつもここまでこぎつけることができたのは彼のがんばりがあらばこそでしょう。

人間真面目にやり通せばいいことが待っているはずです。私もやります(あんた真面目か?「また出たな、あんた」出ないでか「もうええし)。


も一つうれしいことが。昔の同僚(?)のTHさんが仕事途中に寄ってくれました。
彼女は私より年長です。が、しかし元気です。オフロードバイクに乗ってさっそうとやってきます。
ご高齢のお母さまの介護を抱えながらも元気に過ごす彼女に拍手です。最近は女性専用のジムにも通い始めたとか。日常を抱えながらも挑戦する姿勢に拍手です。
俺の誕生日もひょんなことから覚えていてくれて「おめでとう」の言葉をいただきました。おいしいするめもいただきました。(いつももらってばっかりです)

彼女の抱える介護、誰もが通る道なのかもしれませんが大変でしょう。幸か不幸か私は両親ともに早く亡くなりその厳しさは経験していません。連れ合いのご両親は元気でご存命ですがお姉さん夫妻が同居してくださっていますし、とってもお元気です。
身近に介護が必要な肉親がいると大変だと思います。

今日終えた『終(つい)の棲家(すみか)』はそのへんのところを考えさせられる作品でした。仙川さんの本です。彼女は阪大医学部出です。先に読んだ『無言の旅人』は脳死移植や尊厳死が主題でしたが今回は「介護」がテーマです。
学歴とプライドと彼女のはく靴のかかとだけが高い新聞記者が「記者とは何か」に目覚めつつ成長する過程を追いながら話は展開します。読み応えがありました。頁をめくりたくなる本でした。

本は読む人にいろいろと与えてくれます。

次は『殺してもいい命』秦建日子さんにかかりました。『アンフェア』の原作者ですね。映画は見ましたが書いたものは初めてでしょう。楽しみです。というかすでにその世界に引き込まれている自分がいます。

人を虜にする文章が書ける作家さんはやはりすごいですね。


全然すごくない凡夫のつゆちゃんはそれを読みつつやすませてもらいましょう。