さり気なさ

2011年10月12日

今、群ようこさんの『トラちゃん』を読んでいます。
彼女のペット飼育歴をつづった随筆です。犬、猫はもちろん金魚、文鳥、十姉妹、インコにハツカネズミなどなどよくもまあこれだけと思えるくらいの種類、数です。しかも猫と小鳥やネズミが同じ屋根の下に同居。普通ならあり得ない状況が当然のごとく語られています。
ぞんざいな言葉ながらも小さなものたちへのほとばしる愛情が感じられます。ほっこりしんみりにんまりさせてくれます。
鳴き声ひとつをとっても「ぎゃっぎゃっぎゃ」「ぴーぴー」「うぁーん」「クイ―ッ、クイ―ッ」「ウォウォーン」「フニ?」「キエーッキエーッ」と多種多様。群さんの聞こえたままの表現にうなずきを禁じえません。動物好きの方は必読かもね。

私も小1のとき無理を言って犬を飼わせてもらいました。ねだることどれくらいかは覚えていませんが、ある日お父ちゃんがどこからか黒い犬をもらってきてくれました。雑種で四つ目(目の上に茶色の斑点があります)足には足袋をはいていました(足先だけ色が茶です)。雌でしたが名はジョン。私の中でなぜか愛犬の名はそうと決まっていました。女の子なのにジョンと名付けられた彼女は不満がありましたでしょうかね。今となっては尋ねようもありません。(当時でも犬語はわかりませんから難しいですね)

彼女ジョンとは5年後、父親の北海道転勤で悲しい別れをしました。

それについては前に書かせてもらったと思うので今日は割愛させてもらいます。


自転車出勤の今日。西賀茂橋でサクラが咲いているのを発見。汗をかきつつなんとか収めた写真をご覧ください。テレビなどで「狂い咲き」と報道されていますが「狂い」は気の毒ですよね。目いっぱい生きて、地球の気象変化に惑わされつつ自分の最善を尽くしているんだと思います。けっしてかっこよくはないかもしれませんが「懸命」とか「努力」とかは好きな言葉です。

他者がどう言おうが私はそう生きたいし、自分が接する人たちにもそれを求めたいです。地味で泥臭いですがそれでよしと思います。

そんな中にさり気ないかっこよさを求めましょう。

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