新しい世界へ
2010年10月22日
『最悪』おもしろかった~。範疇はなんだろ? サスペンス小説? 犯罪小説(そんなのないか)? まあなんでもいいです。今までに読んだ小説のうちでもとにかく比類少ない1冊でした。読んだ中のおもしろさ具合の十指には入るでしょう。
まったく住む世界を異にする登場人物が事件を通してつながっていきます。裏切りもあり、どんでん返しもあります。追いつめられた人間の悲しい性(さが)も露わになります。裏世界のこわさも見られます。
読書の好きな方には秋の夜長の友としてぜひお読みいただきたい1冊です。はらはらどきどき、おもしろくて先が読みたくて、眠る時期を失して寝不足になっても私は関知しませんし、責任もとりません。
続いて同氏の旅随筆『港町食堂』を攻めようかと思います。氏の随筆は数冊読みましたが小説ほどの「きれ」は感じなかった(おっ、えらそうに)ので、この本に期待です。
なぜにここまで読書に勤しむか。現実の自分には絶対経験できない世界がそこに広がるからでしょうか。時空を超えた未知があります。
早い話、現実逃避という側面があるのも否めませんね。本の世界に浸ることの「逃げ」はあるでしょう。その「負」の面(「負」なのか「正」なのかという議論は置くにして)は置いといて、心躍る、心震える、涙する場面を演出してくれる本の世界はすばらしいです。
みなさんも新しい世界を与えてくれる本の中へ一歩足を踏み入れてみてください。
おやすみなさい。