野分
2009年10月06日
台風が近づいてきているようですね。進路を見ると近畿地方を直撃しそうな感じです。大きな被害が出なければよいのですが。
台風といえば子どもの頃、親が窓のところに戸板を打ち付けたり、ろうそくを用意したり、ご飯を炊いておにぎりを握ったりしているのを目にし、ドキドキしながらもふだんと違う雰囲気にどこか、なぜかわくわくした覚えがあります。不謹慎かもしれませんが、子どものことゆえご勘弁を。
「野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ」と綴ったのはかの清少納言ですが、私は台風の翌朝は落ちているであろう大家さんちの柿の実に思いがいきましたね。それ以外にもなんやかんやが転がっていておもしろかったです。見上げると昨日までの雨や風がうそのように真っ青な秋空がまぶしかったのが目に焼き付いています。
いま一つ覚えているのは台風24号の襲来です。まだ小学校低学年でした。父親は今でいう単身赴任。猛烈な台風が襲うと聞きました。伊丹の家の近くには天神川という天井川が流れていました。大人たちの話を小耳にはさんだ幼い俺は、それがあふれて洪水になると思いました。ものすごく怖かったですね。でも俺は男の子。お父ちゃんがいないんやし、俺がお母ちゃんを守らなあかんと思いました。
「大丈夫やでお母ちゃん。僕が守ったるしな」と口に出して言った記憶があります。その割にはすぐ寝てしまい、気がつけば台風一過の青空のもと落ちた柿を拾っていたような・・・・・・なつかしいですね。父も母も守ってあげらぬまま、今その俺だけが生きています。