もったいない

2009年02月19日

授業が終わって教室のゴミを拾ったり、机を並べたりしていると、いろいろと落ちています。さらっぴんに近い消しゴムが落ちていることもしばしば。
「ペンを落としたけど、ありませんでしたか」など聞いてくる子もいますが、消しゴムごときではそれもまれです。豊かになったのか、ものを大切にしない子がふえているのでしょうか。そうは思いたくはありませんが、そうなのかな。消しゴム切って投げている輩もいます(俺もやったかなあ? いやどうだろ。記憶が不鮮明です)。もったいないことはなはだしいですよね。
消しゴムといえば子どものころ、伊丹だから小5までです。ある日家に帰って宿題でもしようと思ったのでしょう。取りだした筆箱に買ってもらったばかりの消しゴムがありません。なぜか家にいた父親が(休みだったのでしょうか)烈火のごとく怒り
「今から学校行って、探して来いいいいい~」と怒鳴られ、半泣きで家を出て学校へ向かいました。日が暮れかかっていたので夏ではなかったように思います。べそをかきつつ学校に着くと、校門が閉まっていtました。途方にくれました。帰るに帰れず、進もうにも進めず………そこへ母親が現われ(きっと後をつけていたんでしょう)、いっしょに帰宅しました。父親にとりなしてくれたんでしょう。あまり記憶はありませんが、泣きながら疲れきって寝た覚えがあります。
「たかが消しゴム1個でそこまではないやろ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、事実です。
高度経済成長が、まさに始まったころ(1956年、日ソ共同宣言の年です)に生まれ、私の成長に歩調を合わせるがごとく日本が戦後の荒廃から立ち直り、見事に変貌しつつあったころです(俺にはその実感はありませんでした、もちろん)。
豊かとは言いつつ、なに不自由なく暮らしている人の裏で、日々の飯(あえて「めし」と表記)、夜露をしのげる家さえもない人がいると思えば、ぜいたくは言えません、できません。つましくともしっかり足元を見つめて生きていかなければいけないのでしょう。